D.I.'s Memorandum

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モテたい理由 (講談社現代新書 1921)
JUGEMテーマ:読書

このフレーズで、読むことを決めてしまった。
今年読んだエッセイの中で最高傑作。面白くなかったら買い取るを通り越して、買い占めて配りたいぐらいの一冊。
404 Blog Not Found:男女論の最高峰 - 書評 - モテたい理由
あまりの面白さに、大量の付箋を使い、
過去最高量ではないか?と思うくらいであった。
突き抜けるような、面白さがあるのだ。

この本は、女性の視点と切り口で、
現代女性と、女性化しつつある社会を切っている。
その意味では、こちらを彷彿させる。
D.I.'s Memorandum | 〈性〉と日本語―ことばがつくる女と男 (NHKブックス 1096)

なぜ現代社会が女性化しつつあるのか?
女性誌からのその考え方をモデル化をすることで、
女性の価値観、無意識とも言える
新しい考え方を抽出していく。

世の男どもにとって、セックスは一大テーマだと思う。
それに対して女性にはウケが悪く、恋愛と結婚が主になる。
私自身、このギャップに戸惑い、
試行錯誤してきた(つもりだ)。

この本を読み、クリアになったことは、「違い」だと思う。
そしてクリアにならなかったことは、
どうすれば良いか、である。
だって、究極的に男は不要と言われているのだからw。


P.11より。
「プロジェクトX」をみて、いつも不覚にも涙する(そうつくってあるから)が、釈然としない思いも抱くのは、「何すればいいかわかってた時代はいいな」とぼやきたくなるからだった。
目標ははっきりしていた。日本人が何を欲しがっているのか、わかったのだ。言い換えれば、マーケットは人の心の仲にすでに潜在していた。あとはものをつくりさえすれば売れる。目標のためには一心不乱になること。目標のためには自らの犠牲さえ厭わないこと。
それは「男性に向いた生き方」である。
この質をつきつめれば兵士になる。
あのナレーションの主語はなぜ、「男たちは」だったのか。
女性の社会進出が進んでいなかったからではない。あれが端的に、単純に、戦争の前線の話だったからだ。

P.19より。
しかし、社会の確実な勝ち目が見えなくなった見通し不透明の時代では、マルチタスクかつ小さなことで発見できる女性的資質が大事になってくる。
もう、大きな市場はないのだから。
すると、女の気の散りやすさが現代ではリスク分散として昨日する。飽きっぽさもまたよしとなる。そもそも、「相場(市場)」や「流行」というものは、人々の飽きっぽさによって変動し、自分より「みんな」がどう動くかという読みが「予測」なのだ。

P.20より。
結論から言ってしまおう。
すべてがメス化していくのは、「女性」が、消費(広告)にとってのフロンティアだったからだ。
だら必死で、文化をそれ一色にしようとする力がある。広告代理店だって必死だろう。それはおそらく本当に最後の大きなフロンティアだから、開発しつくしたら、飽きてしまったら、後がないのだから。

P.28より。
今一大ビジネスとされている「モテ」は、たしかに女性の好む価値観ではあるが、ものを育んだりやわらかに包んだりといった女性の美質というよりは、女性の「業」の部分をとり出して拡大したもののように思う。
「業」というのは、あるのはしかたがないがそれを追求しても幸せになれない質のことだ。

P.54より。
男性的社会の行き詰まり。
これは多くの人が感じられるところであると思うが、男性的社会は、実はふたつの大きなマイノリティ派閥を生んでいたのではなかと思う。
ひとつは、もちろん女性。
もうひとつが、オタク、特に「男性自身のオタク化」ではないかと。
...
女性かオタクか?
そして市場には女性が選ばれた。
オタクも昨今商業主義や大手資本に目をつけられているけれど、やはり動向が読みにくく、外から理解することがむずかしい。
その点、女性は、細かい差異を競いながら、びっくりするほど似通ったベーシックな欲望を見せるのである。
商業的に使い勝手のよい「女性」派閥のほうがフロンティアに「採択」された。

P.57より。
「LEON」をひと言で言えば、「初めて売れた男性ライフスタイル誌」である。
ライフスタイルとは、独りの人間を「趣味性」ではなく「時間軸」で総合的に見ていくやり方で、これは元来「趣味誌」である男性誌の作り方にはない文法だった。「LEON」性交の秘訣は、「女性誌の文法で初めて男性誌をつくった」、これに尽きる。
「女性誌の文法」の最もたるものが「イメージキャラクターの導入」だろう。これは光文社系を筆頭とした女性ライフスタイル誌がとってきた方法である。有名な例は、三浦りさ子。イメージの核を体現し、読者がその人に「乗り」ヴァーチャル体験できるようなキャラクターを独り置く。「その人のような消費行動をしたい!」と読者が思う人だ。
それが今はちょい不良オヤジの「顔」たる在日イタリア人タレント、パンツェッタ・ジローラモだった。

P.58より。
「LEON」が画期的だったのは、「好みより女に見られることを優先したモノ選びをしろ」と、男が男に対しておそらく初めて、説いたことだった。男性のファッション誌は従来、機能性か趣味性で語られ、そこには男の大好きな「蘊蓄」の二文字があって、他社との「関係性」はなかった。それを岸田編集長は、
「モテなきゃ意味ないんだよ!」
と一喝した。モテないファッションは、ただのオタク趣味、と。

P.67より。
ただし、ツボをつけば雪崩を呼ぶが、誰もが女のツボを読めるわけではないのは当たり前の話。飽きっぽい女の気分を読むのは、ある意味至難の業でもある。男がやってただのかんちがい、というのもよくある話だ。そこで「女に羨まれる女」というタレントが、市場的に非常に重要になってくる。私は彼女らを「ライフスタイルタレント」と呼んできた。
人はいつからか、ただ生きているだけではイヤになった。人に羨まれなければ、生きた心地がしなくなったのだ。
人に羨まれることを主眼としているから、これは横並びの目を意識する女性と相性がよかった。また、人生を人に向かって総合的に語るのは、女性的な資質である。男性は、役割であれ趣味であれ、専門的な話をしやすい。

P.68より。
かくして、日本の女性向けメディアは特異な進化を遂げた。
そして百花繚乱でありながら、びっくりするほど似通っている。評論家の斎藤美奈子の言を借りれば「女性誌には、虫めがねで見るような違いしかない」。
要するに日本の女性誌はどれも、日本の女性の面白い欲望特性一点に、最大特化した商業媒体なのだ。そこには異質なものを意識しながら、完全に内輪で完結できる。どれを見ても同じ人たちが出てくる世界って、男には信じられないだろう。

P.80より。
そして実のところ、女性誌の言っていることは、中学生でも(たとえば「ハナチュー」という雑誌)五十代でも(たとえば「クロッサン・プレミアム」)、基本のところはまったく一緒だ。

関係性のなかでしあわせを感じたいという願い。
そのためにきれいになりたいという気持ち。

それが、現象的には恋愛となり、昨今「モテ」という言葉に集約されつつあるものの核にある感情である。
そんな女性誌のつくり方の仲に、新しい傾向が付与されはじめた。それが「総ライフスタイル化」とでも言いたくなる傾向である。

P.90より。
合理性はたいてい、論理としては批判のしようがない。そしてそれがふんだんな例示とともに展開されることには説得力がある。しかし、合理性が何を省くかというと、時間であり、感情とその成熟である。プロセスをとばしたことへの心理的補償はどこかでなされなければならない。それが「自分語り」となる。「私の選択はよかった」「自分で選んだ」という物語を他人に向けて語ることになる。
...
それが悪いとは言わない。ニセモノだとも、言わない。ここにはむしろ、本質がある。
「自分語り」とは、「遅れを自覚する者」の自我を埋める作用があったからだ。穿った見方をすれば、戦後の日本人がこんなにもライフスタイル語りを好み、ひとつのフォーマットをつくりあげたのは、明治以来「遅れをとってきた」自覚があったからではないのか。合理化がとりこぼす微妙な「遅れ」や「気持ち」を補うために、「生き方語り」はもともとあった。私はそう思っている。

P.119より。
本田透は、女が忌み嫌うオタクのアニメやゲームの多くが、女好みのドラマとまったく同じであることを見抜いている。たとえばパソコンゲーム「君が望む永遠」は韓流ドラマ「天国の階段」。「やっていることは同じだろ!恋愛!交通事故!記憶喪失!三角関係!嫉妬!妹!」(「電波男」)
ただ、オタクコンテンツと女が女のために無意識でつくってしまう韓流ドラマ風コンテンツの間には、たった一点、違いがある。それは、主人公の選択。どの視点でゲームをするか、である。
古来、ドラマというものは苦労人のほうに感情移入するようにつくられてきた。シンデレラを思えばいい。
それが女性誌型のドラマだと、「苦労知らず」のほうが「一人勝ち」するのである!...
それが、女の人生ファンタジー。なんだろうこれ、妄想と言うのさえ疲れてきたが・・・これが女がオタクを近親憎悪する理由なのだろうか?

P.126より。
女には不思議な習性があって、なぜか、本人の努力以外のファクターが強く作用した美質を備えた同性に、より強い羨望を感じる。たとえば生まれつき美人であるとか、富豪のおうちに生まれついた、とかである。本人の意思が芽生える前にいい学校に入れられていた、などはそれに準じ、むろんそれは「いい家」の間接証明である。そこに屈折もあったかもしれないし、それなりの本人の努力も必要だったろう、が、こういうのは後から添加できないという意味では永遠の差別化で、しかも「他力」なところがポイントである。

P.139より。
何よりも、二谷友里恵は、今に続くタレントのライフスタイル語りの不動のフォーマットをつくったのではないかという気がする。
不動のフォーマットとは。。。

人生における変化に際して、それで自分がよくなったと他人に承認してもらうこと。またそのやり方。

ポイントは、「他人に承認してもらうこと」というところにある。

P.143より。
そういう結婚と「リセット」の可能性。それは女の特権である。それは、自分の人生が変わると同時に「人から見られるか」を変えられる機会である。だからこそ、タレントには、特に意味がある。

P.146より。
変節漢という言葉があるが、変節は、女にとってこそ重大なことで、変節をどうするかに女の人生がかかっており、その文法がほぼ確立されている。
そして、女の傾向はベーシックなところで驚くほどまとまっているので、「人生語り」の文法ができて、それが広く認められるとわかれば、広まるのは驚く間もないほど速いのだ。

P.157より。
ここ数十年というタームで考えた場合、内的な大混乱をこうむっているのは、実は女より男なのではないかという気がこのごろしてならない。
それは、
「変わらなきゃ!」
という脅迫がすみずみまで持たれ、社会がそう脅迫してくるからである。
まるで、変わらないと無能同然、という言われようだ。
男というのは、びっくりするほど変わってないし、変わらないのだ。

P.158より。
男に、好きな女のタイプを聞いて回ったとき、あまりしばしば出くわす名前があることから、私は考え込んでしまった。誰だと思います?漫画「タッチ」の朝倉南と、「めぞん一刻」の音無響子(管理人さん)。
ここに男のするほど変わっていない好みがある。男が女に求めるものなんか特に、びっくりするほど変わっていない。仮に、このふたつの漫画を知らない世代の男の子にこれらを読ませても、この二人のことは好きにというだろうと思う。普遍性を感じさせるのがこのふたつの名前だった。
ひるがえって、女が男に求めるものが、びっくりするほど変化してきたことを思うと、男のこの純情っぷりには、涙が出てくるほどだ。女の子たちが自分への賭け金をつり上げてきた結果、買い手がつかなくなって焦ったり捨て値で自分を売りかねもしない今、男の子が女の子に求めているものは、ずっと変わっていないのだ。
...
男が好む女の質をここから抽出するに、
1. 意欲を起こさせてくれる
2. 安心感をくれる・包容力を感じさせる
つまりは、「育てる質」と「母性性」という、女性の質の二大原理がそこに手付かずのままあるのであった。

P.164より。
女がステイタスや資産の高い男と結婚すれば一律に羨まれる時代も、気付けば終わっていたのだ。大多数の女でさえこれには気づいていなかった。だから「紀香がだめんずに」の声があった。が、変わる前に先取りする個人こそ、先鋭でありリーダーなのである。その意味藤原紀香は女のリーダーなのだ。そしてそれさえ永遠ではない。常に先目を読み続けなければならない。

P.172より。
相手がしてもらったらうれしいことを察知できて、それをあやまたず即時実行できる。そして超然としている。これを純粋に技術だけでできるかと言ったら、むずかしい。
一般人でこんなふうにできる男がいたら、それはもうそれが「好き」なんだろう。趣味嗜好に属する。女を気持ちよくさせるのが好きなんだろう。それが講じすぎると嘘つきになるが。

P.175より。
それなのに、女たちと恋愛資本主義が、「恋愛市場に参入しないのは努力の欠如であり悪である」とバッシングしてくるのだ。
人間誰しも、心に愛を持っている。
誰かに愛を注ぎたい。誰かから愛を受けたい。
その基本的欲求は、どこかでどのようにかして、どうしても、果たされなければならない。
でもそれ妄想じゃん、現実じゃないじゃん、と女たちが言うと、本田は訴える。
しかし女の恋愛も妄想ではないのか?と彼は返す。
...
そして本田も言うとおり、「ファンタジーをファンタジーと知って投入できる態度」のほうが、「現実を虚構の区別がない」より、高等なファンタジー作法だと私はおもう。

P.197より。
ただ、突き抜けすぎてあったおいう間に向こう側に行ってしまったようなものには、ときに真実が垣間見える。極端が、本質を宿す。私にとって「FRaU」の結婚号(リニューアル号)と出産号を読みこむことは、そんな体験だった。
女の人生の最大の洋書は、これまでさんざん言われてきたような「恋愛(モテ)-結婚」ラインにあるのではない。
「セックス-出産」ラインにあるのだ。
...
社会にとっても絶対におさえるべき要所も、女の「セックス-出産」ラインである。少子化を止めるも進めてしまうも、このラインおいかに取り扱うかにかかっている。
にもかかわらず、出産を結婚といまだにがっちり結びつけているところが、法や政治の致命的な見当違いである。人は結婚したって出産するとは限らない。
...
およそ先進国と言われるものの仲で、日本人ほど、婚姻制度を熱愛している国民はないと私はおもう。コピー元が、その無理や弊害に苦しんでもう手放そうとしていても。

P.200より。
私はずっと、セックス-生殖が同一線上にあり、その延長線上に「家族」があることは、人間にとっては残酷な気がしていた。セックスは衝動なしにはできない。が、セックスの結果である子供や「家族」は、衝動とは真逆の「責任」をもたらす。だから「セックスは責任がとれるようになってから」「セックスは計画的に」と、人は思春期になるやいなや叩き込まれる。
しかしそういう教育に従えば従うほど、その最善の策はセックスをしないこと、となる。高学歴と高キャリアの女の多くは、その教育を守ったからこその高学歴高キャリアなわけだ。それがある年齢になると、言われることが180度変わる。「結婚しないの?」「子供は?」。今になって自分はある意味の犠牲者であったと気づく。
しかし、そうならなかった人は一体いつ、移行できたというのだろう?女たちの衝撃は悲痛なものになる。

P.201より。
家族とセッックスは、相性がよくない。にもかかわらず、人はセックス以外の方法で家族を再生産できない。
それは男女と人間社会が持つ究極的なジレンマだったのではないか。セックスほど男女を強く結びつけるものはない。けれども、セックスほど、男女がすれ違うものもない。
だったら、と。
家族をセックス抜きに一足飛びに見せる。
女性誌はずっとずっとずっとそれを繰り返してきた。
恋に落ちて結婚したら、あ~ら不思議かわいい赤ちゃんが!
...
誰もが、小さなものはかわいいと感じる神経を持っている。それは生物に埋め込まれた本能だ。
ならばそれを目的にセックスも合理的にすればいい。

P.203より。
女性誌をかれこれ四半世紀以上読んできた、私が見たことがないのは、ライフスタイルにおける「セックスと家族の相関関係」だった。
親子や子供像が出てくることはあっても、そこに夫はいない。日本の女性誌はもとから、女と子供だけのものだった。もともと日本のかぞく は、カップルの関係より親子のタテの関係を基軸にすると言われていて、その性格な具現でもあった。
いや、真実を言ってしまえば、もともと、ないのだ、セックと「家族」の因果などは。セックスと生殖の間にはあるけれど、セックスと家族の間には、ない。
ないと言えば、あっさり、ない。
あると思ったのは幻想の物語で、そのとき本当になかったのは、女性の経済力だった。
...
しかしより重要なのは、女とその子供にフォーカスする限り、女の生活の内実が変わろうと、表面的に見えるものにはなんの変化もない、ということなのだ。
夫が変わっても問題ない。
子供の父親が全部違っても、同じ母親の子に変わりない。
...
女性誌にはずっとずっと、「恋人」も「夫」も出てこない。「モテ」とあんなに騒いでいながらも、男の姿はほぼ絶無だった。
...
そうした女性誌において、女性が結婚したら、対話できるのは夫ではない。
子供である。
...
女と「タテの関係」だけを見るのであれば、変わるものは何1つない。夫が変わろうと、結婚ステイタスが変わろうと、すべての子供の父親がちがおうと、表面に移るものは何一つ、変わらない。横の関係性のない、完結した世界。それはまるで、血縁だけが絶対の世界である。語りのフォーマットを変える必要がどこにもない。

P.209より。
この社会で最も特権的なのは、すべてを持つ女。それは、選ばれたメスのみが生殖する生物とかSFの社会みたいでもあり、シュールな感じをおぼえる。そこでは大多数の男女は立ちすくみ、傍観し、ファンタジーを食って生きている。
オスは必要ではない、たまにしか。
そのとき男の要件はただひとつとなる。
種馬。
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