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2016.01.01 Friday
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「未来を担保に、ご融資させていただきます」と言われ、多額の金を銀行口座に振り込まれる。...そのお金は金融街にて自身と周りの人々の未来を代償にしたミダスマネーの奪い合い『ディール』を強制される『アントレプレナー』としての道だった。
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個人から預金を募り、そのお金を融資などに回して利益を得ている銀行のバランスシートを見て、松本さんは驚いた。預金という項目が「負債」の中にあったからである。
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実は、後に大きな社会問題となった不良債権問題は、本当は預金者の問題、だったということである。傷ついたのは「銀行のお金」ではなく、「預金者のお金」だったのだ。なぜなら「銀行のお金」は、基本的に「預金者のお金」だからである。
銀行の貸出が焦げ付いて不良債権になったというのは、つまりは、預金者が銀行に「貸した」預金が焦げ付いていた、ということ。もちろん銀行も大きな損をしたが、それはすなわち、預金者の大きな損だった。預金者は、不良債権問題の当事者だった、ということである。
だが、よくよく考えてみると、銀行預金であれ、郵便貯金であれ、預貯金をした人は結果的に、間接的に国債を買っている、ということになるのではないか。実際、国債の四割強は銀行などの金融機関が買っているのだ。つまり、国の借金を最終的に背負っているのは、何のことはない、銀行や郵便局の預貯金者なのである。
預金をした人は、国の借金に荷担するなんて、そんなことを許した覚えはない、というかもしれないが、知らず知らずのうちに、自分の大事なお金がせっせと国の借金に使われている、という現実があるのだ。
「日本の戦後の成長は、まさに奇跡と言われるものでした。あの敗戦のボロボロの状態から、ほんの数十年で世界第二位の経済大国になったのが、日本だった。それを可能にした原資こそが、貯蓄広報中央委員会のプロパガンダを通じて、個人がせっせと郵便貯金や銀行に貯めて言った預貯金だったんです」
「今日本で起きていたようなことが、1970年代に、アメリカで起きていたんです。わかりやすく言えば、個人から集めたお金を国がまとめ、集中的に投資をしていた。
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特定の一部の誰かが決めるのではなく、マーケットにたくさんのお金の出し手を入れ、その創総意によって、引っ張っていく産業を決めればいい。それが国としてのリスクを回避できる方法だ、とアメリカは気づいたんです。
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アメリが完璧だ、とにかくすばらしいことだらけだ、と言うつもりはありません。しかし、お金が動いている。流動性が高いんです。それは、直接金融に大きくシフトしたからです。約4000兆円の個人金融資産のうち、4割の約1600兆円が株式や投資信託で運用され、ダイナミックに株式市場で民意を発揮している。日本はといえば、個人金融資産1400兆円といっても直接金融には100兆円ほどしか入っていない。残りの1300兆円は、眠っているどころか、一部は国の借金に流れている状況だということです。」
こうした議論でよく展開されるのが、日本は海外からの借金をしているわけではない。だから、借金が返せなくなって破綻することなど無い、というものだ。松本さんは、このロジックは明らかに間違っていると語る。
「海外から借金をしていないのは、海外から借金を擦る必要がないからです。日本で全て国債が消化できてしまうから。ただ、それだけの理由なんです。では、日本は誰から借金をしているのか。日本の国民からです。自分たちなんです。つまり、いずれは日本の国民が返さなければならい借金だ、ということです。」
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なんのことはない。借金や利払いを、単に次の世代にツケ回ししているだけの話なのだ。このまま借金を返さず、増やす続けていくという行動は、海外からの借金をする代わりに、次の世代から借金をしているということなのである。
まずは為替が暴落する、と松本さんは最悪のシナリオを描く。円安だ。そうなると、待っているのは強烈なインフレ、ということになる。。。円安になれば、あらゆるものの価格が高騰することになるだろう。
「しかも、実は国にとっては、これは都合がいい事態でもある、ということも知っておくべきだと思います。お金の価値が落ちるということは、借金の価値も落ちるということだからです。実質的に、借金をぐっと圧縮できるわけです。」
まさか国がそんなことを。。。と考える人もいるかも知れない。しかし、松本さんが常に頭に入れているように、”世の中でこれが正しいとされていることや、立派だと思われていることが、本当だとは限らない”のも事実ではないか。むしろ国は、それを臨むようになるかもしれないのだ。
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